前回 ケータイ機種変更 #1 | 無印から2へ,ケータイ機種変更 #2 | auショップで繰り広げられた心理戦からのつづき.形やサイズについてのインプレを少しばかり.
今回はモックアップを見る前に決め打ちで予約を入れてしまったのだが,実機を手に取った時の感想は,あんまり小さくなってないなというのと,持った感触がいいなというものだった.
サイズ的には,写真でもわかるように,INFOBARとINFOBAR2では,全長は,アンテナの部分を除く本体部分はINFOBAR2が若干小さく,幅はINFOBAR2が大きく,厚みは中央部ではINFOBAR2,端部ではほぼ同じ.
初代INFOBARで不満があげるとならば,その長さが真っ先にあがる.チョコレートと形容されたように妙に細長く,普段ズボンの前ポケットに入れて持ち歩く私は,どうにも収まりの悪さを感じることが多かった.前かがみになったりすると,ポキンといっちゃう気がしたものである.
INFOBAR2の方はというと,中央部から端部に向かって曲線で薄くなった形状とアンテナが本体に収納されたために,視覚的にはコンパクトになった気がするが,実際の体積的にはほとんどコンパクト化されていない.とはいっても,液晶の大画面化,ワンセグチューナー搭載やおサイフケータイやオーディオプレーヤ機能など,初代にはない機能がこれでもかと付加されているので,よくこのサイズで押さえたと評価すべきなのだろう.体積は同じでもアンテナが本体に収納されたことが一番効いているのだが,幅が若干大きくなったことによって,全体のバランスもよくなり,実際にポケットに入れて持ち歩くと,今までのような持ち歩いている感がなくなった.それだけ収まりがよくなったということだろう.
INFOBAR2の形状は,前述したように,中央部から端部に向かって薄くなっている.断面で見ると,中央部を頂点にして円弧状になっている.このため,初代INFOBARが”バー・チョコレート”に喩えられたのに対し,INFOBAR2は”溶けかけた飴”という喩えがされている.この”溶けた飴”造形は好き嫌いの判断基準でしか評価できないが,コンパクトに見せることに成功しているし,その特異な形状は実用面でのメリットが二つある.ひとつは,先端が細くなった形状がポケットなどに入れる時にとても入れ易いということ.もうひとつは,底面が曲面であるために,手に持った時に手のひらにフィットして,その感触が心地よいということ.これは平面では到底得られない感触である.
この持った時の心地よさを演出しているものには,曲面形状以外に,二つの要因があげられる.ひとつは,側面のエッジ部に適度なRが取られていること.もうひとつは,その表面処理である.厚く滑らかに施されたコーティングは,手のひらや指にひっつくような感触を与えてくれる.
曲面,滑らかなエッジ処理,吸い付くような表面処理の三位一体の合わせ技でもって,持った時の心地よさという,いままでのケータイの評価軸にはなかった特性を得ることに成功している.事実,買った次の日のことであるが,私はINFOBAR2を持ち歩くのに,ポケットには入れずに,一日中手に握っていたくらいなのである.
なお,INFOBAR2には,緑色のものがあるが,この緑のものだけは,表面処置が異なっており,梨地処理でつや消しでザラザラしている.このザラザラ感は好き嫌いのわかれるところだろう.緑の個体だけ表面処理を変えた理由がわからないが,ビビッドな緑には魅力を感じるだけに,微妙な選択に思える.
表面の操作パネル部に目を移してみると,滑らかな曲面を作るためなのだろうが,ボタンも曲面に沿ってツラ一になっている.面積のある数字ボタンはこれでもいいが,写真の初代INFOBARと比べれば一目瞭然だが,このトグルボタンに問題ありだ.ツラ一な小さな丸ボタンを押すには,親指を意識的に立てて先端部で押してやる必要があり,とても使いづらい.
それから,十字ボタンの左右に配置された,4つの付加ボタン(左上から時計回りに,電話帳,アプリ,EZWEB,eメール)が小さいのも,初代INFOBARに劣る点だ.特に,よく使うeメールのボタンが押しづらいのはツライ.実は,初代INFOBARのeメールボタンは操作面にはなく,左側面に用意されていた.側面にあることによって,人差し指で操作できたのだ.それによって親指との連携プレイ(言ってみれば,クルマでのヒール・アンド・トゥ)ができてとても操作性が良好であった.それに比べると,INFOBAR2での操作はまどろっこしい.
次回では,そのあたりをからめ,UIを含めた操作性について書いてみるつもり.