:: 「佐野元春ブロガーミーティング」レポートを読んでどうしても書きたかったこと.

2007/11/08
┣ music 音楽


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10月の終わりに,2004年に自らのレーベル「Daisy Music」を立ち上げた佐野元春が,ブロガーを集めたミーティングを「佐野元春ブロガーミーティング」と題して開催した.それについては,各所に呼ばれたブロガーがレポートをしている(末尾のlinkを参照).

とはいっても,書かれた記事は,元々佐野元春のファンであるかどうかは二の次だったようで,事実の羅列という意味でのレポートばかり.まあ,ネット配信という大波に揺さぶられている音楽業界にあって,インターネットが一般的になる前から積極的にウェブを使った活動をしてきた佐野元春としては,そのネットで生活しているようなブロガーを集めて,ネット・オリエンテッドな姿勢をアピールしたかったのだろうし,そういう意味では,参加したブロガーを通して,多くのネットユーザーは佐野元春がそういうアーティストなのだということを認識したはずで,このミーティングは成功したと言えるのだろう.

と書いてきたが,「ブロガーミーティング」の是非やらかんやらを書くつもりはない.ブロガーの記事を読むにつれ,佐野元春にまつわる事柄を想い,それを書きたくなったという訳.それに,先にも書いたように,佐野元春に思い入れのないブロガーの記事に対し,物足りなさを感じたのも事実.読んだ中で唯一,Gizmodo Japanだけが,佐野元春の楽曲名をパーソナルな思い出として出していたのであるが,狙ったのか掲載時期も遅いし,その記事のタイトルが,佐野元春ファンならぜひ買っておきたい限定ヘッドホンというのには,笑った(トップの写真がそのヘッドホン).

佐野"Lion"元春/Motoを最初に聴いたのは,ラジオでオンエアされた「Night Life」だった.たしか,彼がデビューした次の年だ.なんて煌びやかな曲なんだろうと興奮した.曲が終了すると,ラジオのDJが「日本にもこういう曲を書くアーチストがでてきたんだね」と少しだけ上気した声でつぶやいたのを今でもしっかり憶えている.そのときのDJはチューリップの財津和夫だった.

そのあと,最初のブレイクとなる「Someday」発売前夜のライブに出掛けることになる.空席の目立つ二階席だったにも拘わらず踊りまくった.そうさせる雰囲気と熱気があった.

この頃,ミュージシャンの大きなテーマとして,いかに日本語をロックに載せるかというがあった.その中心にいたのは,Motoだった.今では日本語でロックを歌うことは当たり前のことだが,その時代は違った.そう.洋楽と邦楽のチャートが別々に存在していた時代だった.そして少し意外かもしれないが,Motoの近いところには,サザンの桑田がいたりした.

当時MotoがDJを努めていた,NHK-FMの「サウンドストリート」も欠かさず聴いた.毎週月曜日には,"Motoharu Radio Show"のジングルとともに,ご機嫌なRock'n rollが届けられた.途中,Motoはニューヨークに旅立ってしまったが,そのRadio Showはニューヨークからも変わらずに届けられ続けた.

"Beatniks"を教えてくれたのもMotoだった.

佐野元春はヒットチャートの常連になった.それから20年近くの時が流れた.

つい最近,友人の結婚式で仲間と歌を披露することになった.選んだ曲は「Someday」そして,演奏はピアノとタンバリンとエアギター.色褪せないメロディと歌詞に驚いた.”口笛で答えていたあの頃”を思い出すのに十分なほどに.

そのMotoが昔のスピリットを持ち続けたまま,活動している.1/4世紀以上にわたって活動を続けているはずだが,Motoはまるであの頃のままの佇まいでボクらの前にスッと現われる.熱いスピリットを秘めたクールな佇まいで.

きっと,いまだに”瓦礫の中のゴールデンリング”を探し続けているのだろう.そう信じるに足るものが,彼にはある.

ソニーを離れ,新しく設立したDaisyMusicに関してのMotoのコメント「ファンが「Whehehei!!!」と言ってくれるような、直感的に楽しいと言ってくれるような、そんなレーベルにしたいと考えている」

なんだか,しばらくご無沙汰だったライブにまた行きたくなってきた.

というのが,書きたかったこと.


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20:12 | Comment(6) | TrackBack(1)
Tags: 佐野元春 ブロガー ミーティング
:: comments on entry
 僕が最初に聴いたのは「ガラスのジェネレーション」でしたか・・・記憶がかなり曖昧ですが。それがたぶん中学生の頃。「 No damage 」と「 Visitors 」は未だにレコードで持っています。
Posted by doggylife at 2007/11/08 22:13

ワタシも初めて聴いた曲は「ガラスのジェネレーション」ラジオから流れるこの曲でピンときましたねぇ^^
LPの「ハートビート」はすり切れました。(笑)
生で聞く「 ロックンロール・ナイト」は凄まじいものがありますね・・とはいえ、最後に聞いたのがもう9年か10年か前ですから。。

ポタリングの時にふいに口ずさむ曲は
「ジャスミンガール」と「レインボー イン マイ ソウル」です。柄じゃ無いですがww


そう、ワタシも佐野元春は大好きです^^

Posted by ひみよし at 2007/11/09 14:38

doggylifeさん,いらっしゃいませ.

「ガラスのジェネレーション」はよく聴きましたね.初期の曲では代表曲でしょう.「No Damage」は中途半端なベスト版という印象がありますね.確か,新しい曲が聞きたいのにお茶を濁されたといった.「Vistors」の中では,”New AGE”がルーリード調でお気に入りでした.
Posted by yanz at 2007/11/09 19:03

ひみよしさん,いらっしゃいませ.

ひみさんも「ガラスのジェネレーション」ですか.浜田省吾ならさしずめ「愛の世代の前に」という感じでしょうか.時期的にも近いし.アルバムとしては,「SOMEDAY」よりは「Heartbeats」をよく聴きました.今でも,LPはどこかにあるかも.

それから「ロックンロール・ナイト」という曲名を返してもらえてとても嬉しいです.これだけでも書いた甲斐があったというものです.

ジャスミンガールは自転車に乗ってくるんでしたっけ?なら,自転車乗りながらには最適かも.
Posted by yanz at 2007/11/09 19:18

連続コメ失礼します。TBもしておきました。僕が初めて買ったLPが『VISITORS』だったんです。当時としてはとても斬新な作品でしたね。
ちょっと前に初期の作品をCDで買いなおしまして、最近またちょくちょく聴くようになりました。僕も「ロックンロール・ナイト」が大好きです。。
Posted by onomichi1969 at 2007/12/09 00:48

onomichi1969さん,いらっしゃいませ.記事を拝見しました.
”VISITORS”はファンしても戸惑いを感じたアルバムでした.”Visitors”や”NEW AGE”という曲は,割合好きで聴いていたのですが,やっぱりのアルバムとしてはめり込むまでは行ってなかったと思います.
ただ,佐野元春にとってもニューヨークで感じたバイブレーションをああゆう形で出さざるおえなかったのはわかりました.ポエトリーリーディングをはじめたのも同じ流れでしょう.
あのアルバム以降は,原点回帰というか,”Visitors”の尖がったところが表面上は抑えられ,内包される方向に向かいました.
Posted by yanz at 2007/12/09 19:04



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