- contents:
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #1
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #2 | 序論
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #3 | 優先されるべきもの:歩行者>自転車>自動車
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #4 | "share the road"(道路空間の適正配分)の大原則
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #5 | 自動車 vs 自転車という対立構図からの脱却
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #6 | 自転車側の問題点
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #2 | 序論
4. 自転車側の問題点
現状の道路空間で自転車が走る場所が確保されていないことは紛れもない事実であるが,そのことは置いておいて,現在の自転車の利用状況に問題がないかといえば,そんなことはない.自転車乗りから見ても,問題のある乗り手が多いことも事実だし,それが自転車車道締め出し大賛成さんをはじめ,ドライバーを余計に苛立たせる原因になってるのは間違いない.問題のある自転車とは,つまり,以下のようなものを指す.
- 逆走(右側走行)
- 無灯火走行
- 集団横並び走行
- 信号無視
- ノーヘル走行
- 歩道での無謀運転(速度超過やすり抜け)や歩行者への警笛
- 携帯電話で通話,携帯電話を操作しながらの走行(最近多く見かける)
- iPodなどポータブルミュージックプレーヤーを聴きながらの走行(自転車車道締め出し大賛成さんの指摘)
私事ながら,先日自転車で国道の路側帯を走っていて,自転車が逆走で向かってきてキモを冷やしたことがある.
それにしてもああいう輩に限って,クルマから遠い外側を死守しようとするから笑える.ほとほと見上げた根性である.まあいい.こういった自転車の横暴がまかり通っているのは,適切な教育・指導・しつけを実施してこなかったことにある.
時々思い出したように実施される警察による場当たり的な街頭指導などは,その場しのぎ以外の何物でもなく,その効果の程も知れている(PRになるくらいが関の山であろう).ここで必要なのは,全ての人に漏れなく周知徹底することである.そのためには,行きあたりばったりの街頭指導ではなく,自転車を利用する者全てに対し,教育を徹底する仕組みが必要である.具体的には,小中校生など義務教育の段階での教育システムを構築することが肝要である.ただし,そのシステムが行き渡るまでの過渡的な時期には,免許更新時の講習やTVのCMなどのメディアを利用した啓蒙をする必要があるだろう.その際には,自転車の車道走行原則のルールに対する啓蒙活動も合わせて実施すべきである.
さらに,必要なものについては,法による規制を行い,罰則を強化することも必要であろう.例えば,逆走,無灯火走行,信号無視や歩道での無謀運転は現行法でも違法であるし,フィンランドではヘルメット着用が義務化されている.もちろん,罰則だけを強化しても駄目で,警察による取締りを徹底しなければ意味がない.それは,現行のクルマへの交通違反の取締りが中途半端であるお陰で,正直者が馬鹿をみる世界になっているのをみれば一目瞭然だ.
さて,ほとんどの自転車乗りは自動車のドライバーでもある.したがって,両方ともわかっていて話をしているのに対し,自転車乗りでない自動車ドライバーはといえば,自転車乗りの気持ちを半分も理解できていない.それではフェアな議論はできない.
ということで,最後になったが,”自転車車道締め出し大賛成”さん本人,あるいは,同じ意見を持っているドライバーへ一言.
自転車を目の仇にする前に,自転車に乗ってみることをお勧めする.そうすれば,今の道路がいかに自動車のためだけに造られているか,自動車中心な交通社会になっているかが身にしみてわかるはずである.すなわち,自転車に乗ることで”自転車の眼”を持つことができ,これまでくどくどと書いてきたことも,もっとよく理解してもらえるはずである.そして願わくば,”自転車に乗る”ことの”爽快さ”をも感じてもらえると嬉しい.単に移動手段としてではなく,FUN(余暇)として自転車に乗ることは,健康や環境にいいだけでなく,乗ることで脳内物質の分泌が促進され,何者にも代えがたい”爽快さ”を味わえること請け合いである.そして,その時には,また意見をお聞きしたいものだ.
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日本はまだまだ自転車に対する知識が低すぎるって感じるこの頃です。
車大国日本は自転車なんぞゴミのごとく扱われているように感じます。
オランダのアムステルダムの駅周辺5キロ以内は道が狭く車が走れるような道ではない為、地元の方の移動手段はトラムか自転車のみとのこと。おまけに全てではないけれど欧米の駅前には自転車修理屋さんが居る大きな駐輪場があるとの事。これなら自転車で出かける楽しみも増えるだろうな〜。日本もこんな風に変わってくれると嬉しいんだけれどって日々思っちゃいます。(^^)
おっしゃる通りですね.交通を司るインフラとしてではなく,ちょっとした下駄替わりとしかみなされていない現状は歯がゆいばかりです.
ヨーロッパはそのあたりの意識が高いのでかなり先行している感じがします.それも自然体なのが素晴らしところですね.フランスのパリでも自治体主導のレンタサイクルがはじまったようですし.我彼の差は広がるばかりです.
なんとか少しでも意識を高めていくしかないですね.
何日かに渡る記事お疲れ様でした。
自転車も自動車も同じ「車」仲間ですから、「車道」上でうまく共存できるようにお互いの立場にたって見て・考える事が必要ですね。
自転車側の問題点のうち、教育の観点では少なくとも自分の子供にはちゃんとしたルールや考え方を身につけさせたいと思いました。
いや、最初自転車車道締め出し大賛成さんからのコメントを見たときはどうなることかと思いましたが^^
きっちりまとめられてさすがだなぁと思いましたよ。ワタシならこうは行かないでしょうねきっとw
まぁ自転車車道大賛成さんはきっとまだ年齢もお若く、きっと自動車免許を取ったばかりでビバ自動車な状態、でやっとあの忌まわしいくそしんどい1万円台のママチャリだか通学チャリだかのお世話になることが無くなって、ステキな自動車も所有して通勤してるところに自転車野郎どもがフラフラと走ってるもんだから、しかも自動車より速く行くものだからお怒りなんだろうと思います。飯田街道は狭い道路ですしね。
しかし自転車乗りにも真剣にマナーを教えないとまずいのは間違いないですね。ワタシ自信、偉そうなことを言える立場ではないのですが、せめて最低限の事は。
人身事故を起こした場合は、被害者をひいてしまった同じ車を乗り回すのは運転手も気苦労だとは言えますね。自分のほうに落ち度がないのに金だけ一方的に払わされるのも癪です。自転車歩道締め出しとなったら、車側が断然不利となるでしょう。
まあ、私としては自転車は歩道を走ってもらったほうがいいと思うな。どうせ歩行者なんて暇だから歩いているのであって、自転車も「歩行者優先」なんて守る必要もなし。急ぎの人は走っているでしょう。「走行者優先」でないとね。
第一、自転車に道を譲ろうとしない歩行者なんて、頭おかしいのと違いますか?
日本なんてマナーよいほうで、フランスなどは車の路肩運転なんて日常茶飯事であって、歩道の端っこのほうを歩いている歩行者が車に惹かれるようなこともたびたびあるそうですよ。
今回書いたことは,以前書いたことに,それ以後考えたことをあわせてまとめた形になりました.自分でも考えが整理ができましたよ.
自転車道路整備のモデル地域選定はうまく行くといいんですけど,役所はPDCAができないからなあ.自転車乗りの意見をちゃんと聞いて進めてくれることを希望しますね.
> 教育の観点では少なくとも自分の子供にはちゃんとしたルールや考え方を身につけさせたいと思いました。
この言葉はうれしいですね.この当たり前のことができていないがための乱れも大いにあると思います.といっても,教えるべき大人自体の知識が乏しいところをなんとかしないと難しいところですけどね.
コメントに対し,なんとか感情的にならずにまとめられました.お褒めいただきありがとうございます.でも,何もでませんよ(笑)
飯田街道というのは,狭いのですね.そうゆう所を通勤によく使うなあと思いますね.リスクマネジメントができていないというか,あまりにも,考えなさすぎだなと思います.自転車に乗りながら,ケータイをいじるなんてもってのほかですよね.
一度,今回の関連記事(#1-#6)を最初から読まれることを切望します.そこに私の意見は,全て書かれていると思います.とにかく,現状を是認していてはいけないというのが,ここのスタンスです.
まあでも一応答えておきますか.
> 自転車なんていうものは、運転のうまいものだけが車道を走るようにしないと、
自転車走行帯を作るべきだというのが私の意見です.したがって,そこは車道ではありません.
> 事故が起こったときはどうせ車のほうにだけ責任が行くのがほとんどでしょうから、一方的に車側が不利になります。
> 自分のほうに落ち度がないのに金だけ一方的に払わされるのも癪です。
勘違いされています.クルマは走る凶器なのですから(クルマが人を傷つける度合い,可能性が圧倒的に高いということです)それだけの責任を負うのは当然です.免許が必要なのはそのためです.落ち度云々のことは心情的にはわかりますが,それだけの責任を負えないのであれば,乗るべきではありません.
> どうせ歩行者なんて暇だから歩いているのであって、自転車も「歩行者優先」なんて守る必要もなし。急ぎの人は走っているでしょう。「走行者優先」でないとね。
暇なとき以外は歩かないという見学者さんは,とても忙しいお方なようですね.ここに書かれた意見をあなたの周りの方に話してみてください.お友達が増えるでしょう.なんならKOBANと書かれたところの制服を着た人に言ってみてもいいかもしれません.喜ばれるでしょう.
> 第一、自転車に道を譲ろうとしない歩行者なんて、頭おかしいのと違いますか?
これも散々書いたことですが,基本的には歩道者は歩行者のもので自転車が間借りしている状態ですから,文句は言えないでしょう.だから自転車専用の走行区間が必要と言っているのです.
もし私が自転車に乗っていて道を譲らない歩行者がいたとしたら自転車から降りるだけですが,その前に,”スミマセン.通してください”と言えば,通してもらえますよ.それでも通してもらえないという経験はないです.
最後になりましたが,一般論的にご自分の意見を書きたいのであれば,自分のブログで展開されることをお勧めします.その時は喜んでコメントさせていただきます.