- contents:
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #1
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #2 | 序論
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #3 | 優先されるべきもの:歩行者>自転車>自動車
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #4 | "share the road"(道路空間の適正配分)の大原則
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #5 | 自動車 vs 自転車という対立構図からの脱却
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #6 | 自転車側の問題点
- 自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #2 | 序論
前置きが長くなったが,内容の説明に入ろう(前回の記事=>自転車車道締め出し大賛成さんへの回答 #2 | 序論).
1. 優先されるべきもの:歩行者>自転車>自動車
わかりきっていることであるが,この話からはじめる.
通常の人間が持っている移動の方法は,言うまでもなく,自分の足で歩く,つまり”歩行”である.これは基本的に誰もがもっているものであり,最も尊重されるべきものである.
それに対し,自動車はその運転に免許という資格とハードウェアとしての自動車が必要であり,限られた人が利用できる交通手段である.18歳未満の子供は言うに及ばず,お年寄りなど運転免許を持っていない者は沢山存在する.つまり,移動手段としては,万人が持つ”歩行”に対し,自動車はより限定された者が持つ移動手段なのである.
これらに対し自転車はというと,免許が不要なことや自転車に乗れない者の存在を考えると,この中間に位置すると言える.ただし,ここで注意すべきは,現在の実際の利用者数だけを考えるのではなく,あくまでも,利用可能者数で考えないといけないということである.つまり,自動車免許を持ってる者は専ら自動車を使うだろうが,潜在的には自転車利用者ということである.
以上のことから考えるに,道路空間での移動に限定すれば,歩行者>自転車>自動車という順序でそれを利用できる人の数が増え,それゆえ,同じ順序で優先されるべきと考えるのは,ごく自然である.
一方,交通弱者という観点から考えても,歩行者>自転車>自動車という順序で優先されるべきであることは明らかである.ただし,ここで気を付けなければいけないのは,交通弱者と先に述べた利用者数(可能者数)は,分けて考える必要があるということである.もし仮に,人間がパワードスーツのような外殻を着用して行動するのが当たり前になり,その結果として,クルマより強靭になったとしたら交通弱者の話は逆転することになるが,優先順位は依然不変と考える.なぜならば,利用者数(可能者数)の理由は,それには無関係に存在おり,交通した結果として出てきた交通弱者の話よりは,より根源的な利用者数の方が優先されるからである.先ほどの例えで話せば,パワードスーツの着用は制限されるかもしれないが,歩行そのものは制限されないということである(といっても,パワードスーツを着用した時点で自動車と同じと考えた方がいいかもしれないが).
しかしながら,現在の路上では,本来優先されるべき歩行者,自転車は隅の方に追いやられ,自動車が”そこのけそこのけクルマが通る”とばかりに我が物顔に通り過ぎ,歩道の上では,自転車乗りが”チリンチリン.自転車のお通りだい”とばかりに歩行者を追いたてるのが実態である.そこでは,歩行者や自転車が優先されるのは,事故にあったときだけという歪んだ自動車優先の社会がある.道路を作る役所,交通行政を司る警察,それに自動車のドライバーや自転車乗りは,この現状をしっかり認識すべきであり,かつ是正に向け改善していく必要がある.
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