今日からはじまるセ・リーグのクライマックス・シリーズの一回戦.わがドラゴンズは,強敵タイガースを本拠地ナゴヤドームへ迎えての初戦を戦う.
先に二勝した方がジャイアンツとの決戦に勝ち上がるという,この一回戦.初戦が重要なのは言うまでもない.たぶん,タイガースが初戦に勝てばそのまま勝ち上がるだろう.しかし,ドラゴンズの場合はそうはいかないような気がする.初戦を勝っても,2,3戦と続けてで負ける可能もあると思っている.今年のドラゴンズはそういう戦い方をしてきた.戦い方というと戦法のようだが,そうではなくて,初戦を勝ったにも拘わらず,2戦めを簡単に落とすことが多かったということだ.このシリーズ.川上先発の初戦はモノにする可能性が高いと思うが,2戦目はヤバイ.そして,2戦目を落とせば,ここ一戦に弱いドラゴンズにとって,最終戦はきわめて不利の中で戦うことになる.ただし,これはシーズンと同じ戦い方をしたらということであり,そうはなっては欲しくない.
ここ一番に弱いということでは,今年のペナントレースの大詰め,巨人との最終戦,この試合を勝ったほうがペナントを獲るという,文字通り天王山となった試合について触れておかなければならない.これを語らずに,クライマックスシリーズは語れないからだ.
この試合の序盤はドラゴンズが押していた.そして,何度も追加点を獲れる場面があったにも拘わらず,ことごとく凡退し,点が獲れなかった.そのうち,流れがジャイアンツに行き,逆転されてしまったという試合だった.ドラゴンズの攻撃でポイントなったのは,確か4回だったと思うが,ノーアウト三塁となった場面である.ここで一点が入れば,ドラゴンズはあの試合勝っていた.つまり,優勝できていた.それだけ最重要の場面だったのだ.
ノーアウト三塁のあの場面,どう考えても一点を獲れる確率は大きかった.しかし,ここで続いたバッター井上,谷繁はあっけなく凡退し,結局犠牲フライ一本打つことができずに終わる.その淡白さは見ていて腹が立つほどだったが,その当時二軍からあがってきたばかりの井上と,意外性はあるが確実性に欠ける谷繁ら二人の個人の力に望むのは荷が重いのはあきらかだった.そんな天下分け目の大試合の,そのまたその試合の鍵を握る場面,そんなあの場面で何も策を採ろうとしないベンチに腹立たしかった.
以上,時間がなく,記憶だけで書いたので,些細な記述は間違っているかもしれないが,その折にはご容赦願いたい.
落合監督は,その就任当時から,開幕戦も直接対決もそうでないチームとの試合も,一試合は一試合.どこで勝っても一勝は一勝.同じだということをことあるごとに発言してきた.それは極めて正しい考え方であるが,シーズンを通してのポイントとなる試合に臨んだ場面では,そんな価値観は捨てないといけない.そうして,とことん勝ちに行かないと,そのあと”全部勝てばいいんだろう”ということになってしまう(もちろん,この言葉は,一勝の重みとは関係なく言ったのだろうけど).
そういう意味で,巨人との試合は,今年の落合ドラゴンズが抱えた弱点をはっきりと浮かびあがらせた試合となった.いや,今年に限らず,ここ最近の落合ドラゴンズの日本シリーズでの二度の敗退を含めた短期決戦,ここ一戦での弱さ,勝ちきれなさを象徴している.長いペナントを制するには,シーズン通して平均的に力を発揮することは最も重要なことなのは明らかだ.だから,強力な先発陣を揃えたチームがいい成績を残すのは道理である.ただし,それだけでは勝ちきれないこともある.それが今シーズンだったのだし,さらに言えば,ペナントレースとは違う短期決戦の日本シリーズなのだ.そこで求められるのは,平均値ではなく,流れを巻き込む瞬間風速なのだ.そして,それには,時に応じた戦略というものがモノを言うのである.いくら選手を信じているといっても,黙ってみているだけでは流れを掴むことはできない.落合監督はそれをもっと自覚すべきである.
昨年,ファイターズとの日本シリーズで敗退したとき,落合監督は,「シーズン通してやればうちの方が強い」という意味のことを言っていたと思ったが,この言葉は正しいとしても,これでは何度日本シリーズでファイターズと戦っても勝てはしないと思ったものだ.
落合監督は,巨人とのあの痛恨の試合でそれを悟ってくれたのだろうか.クライマックスシリーズでは,どんな試合を見せてくれるのか.楽しみ半分,不安半分である.
さて,そろそろドームへ向かうとするか.
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とりあえず初戦は参りました。
第二戦を自宅で観戦中ですが,現在7回表.楽勝かと思って余裕かましていたら,なんだか怪しい雰囲気になってきて,ハラハラドキドキ.今日勝たないと明日はヤバイです.