チェーンを交換するために,おもむろに箱から新品のチェーンを出すが,これが様々な自転車にもマッチするようにかなり長い.どれでは,長さをどうやって決めたらいいのか?
残念ながら,シマノの場合,チェーンの箱に入ってる説明書には,肝心なそれが書かれていない.後からわかったことだが,シマノの場合,ディレイラーの説明書に書かれているらしい.片手落ちのような気がするが,ないものは仕方がないので,例によって,ネットで情報を収集した.
どうやら,チェーンに長さの決め方は,以下の二通りがあるらしい.
- リアディレイラに通さずに,チェーンをアウター−ロー(前後とも最大ギア)に掛けた長さに,余分に2リンク(=1コマ、リンクは半コマとも呼ぶ。下記の改訂参照)を加えた状態,つまり,チェーンの端と端を持って合わせ,2リンク分重なる長さにする.
- リアディレイラーに通し,チェーンをアウター−トップに掛けた状態で,二つのプーリー(ガイドプーリーとテンションプーリー)が鉛直方向一直線に並ぶ長さにする.
前後最大ギアで長さを決めるという方が理に叶ってるような気がしたので,今回は,前者の方でやってみることにした(注:チェーンを交換した後に収集した情報をも交え,自分なりに出した結論は,この記事の最後の方に記述してあるので,チェーンの長さを決める方法を知りたい方は,そちらを一読されたし).
チェーンカッターを使って適当なリンクのピンを押出すと,簡単にチェーンは切る(というか,はずす)ことができる.
次に,新品のチェーンをアウター−ローに取り付け,端と端を合わせて,長さを決める.2リンクを加えるのであるが,写真でわかるように,今回の場合,3リンクになった.リンクは二種類あって互い違いになっているので,機構上,一リンクとびにしか接続できない.説明するとややこしいが,とにかく,奇数と偶数の二通りの重なりが存在することになる.
今回はこの自転車の寸法の関係上,奇数になってしまった訳で2リンクを余すということはできない.2リンクに最も近い重なりは,1リンクか3リンクということになり,どちらかを選ぶしかない.
ここでは,長ければ短くすればいいという安易な考えで3リンクを選んだ(注:後で詳述するが,長すぎるとインナー−トップ時にガイドプーリーがチェーンと接触する恐れがあるので,ここでは短い方である1リンクの方を選ぶべきであった).
この写真は,新品と長さを比較してみたところ.
2リンク分ほど長さが違う.これは伸びているのではなく,リンク数がそれだけ違っているのだ.つまり,元々着いていたチェーンのリンク数は112リンクだったのに対し,新しく着けようとして長さを決めたチェーンは,110リンクなのである.ということは,元々のチェーンは新品状態でのアウター−ローでの重なりは5リンク(3+2リンク)だったということになる.
先ほども書いたように,インナー−トップのことを考えれば,これは少し長すぎる.
チェーンの長さが決まって,今度はつなぐ.繋ぎ方は,チェーンカッターを使えば,迷うことなく簡単にできる.ポイントは,左図にあるように,ピンを繋ぐ場所は,リンクのチェーンの進行方向側の穴であるということ.詳しくは,SHIMANO HGチェーンのつなぎ方 に書かれている).
写真は,新品のチェーンを装着した状態でのアウター−トップの状態.二つのプーリーは,ほぼ上下鉛直になっているが,若干下のプーリーが後ろに位置している.
先ほど,”短い方である1リンクの方を選ぶべきであった”というのは,こういう意味である.下にあげたULTEGRAの取説の画像でもそのように指示されている.
この写真は,インナー−ローの状態,つまり,最もチェーンが短い状態.余ったチェーンが長い分,テンションプーリーは,テンションを与え続けるために,後ろへ張り出している.
写真を見てわかるように,この場合,ガイドプーリーとチェーンとは接触はしていない.隙間も充分あるので,将来チェーンが伸びても接触する心配はない.
しかしながら,元々装着されていたチェーンは,このチェーンより2リンクも長いので,この隙間はもっと小さかったはずであり,”少し長すぎる”と前述したのは,そういう理由からである.まあ,接触はしていなかっただろうが,余分なリンクで無闇に重量を増やすこともないだろう.
そういう意味では,変速性能を損なわない範囲内では,極力短い方がいいはず.

(右図はULTEGRAのリアディレイラの取説から)
チェーンの長さの決め方
- リアデレイラーに通さずに,チェーンをアウター−ロー(前後とも最大ギア)に掛けた長さに,余分に2リンクを加えた状態,つまり,チェーンの端と端を持って合わせ,2リンク分重なる長さにする(ただし,重なりが奇数になった場合は1リンクの重なりとする).
あるいは,
リアディレイラーに通し,チェーンをアウター−トップに掛けた状態で,二つのプーリー(ガイドプーリーとテンションプーリー)が鉛直方向一直線に並ぶ長さにする.
フロントが三枚の場合は前者,二枚の場合は,どちらでもいい. - 装着後,アウター−トップの状態で二つのプーリー(ガイドプーリーとテンションプーリー)が鉛直方向一直線に並ぶことを確認する.
- 次に,インナー−トップにした状態でテンションプーリーとチェーンの間に隙間があることを確認する.もし,接触していたり,隙間少ない場合は,チェーンを2リンク短くし,再度,確認する.
(改訂)2008/12/24 仁さんから、二種類のリンク一対をコマと呼ぶとの指摘を頂いた。これによって、コマとリンクを混同していることが判明しました。よって、文章内の”駒”という単語を全て”リンク”に変更しました。また、仁さんのコメントにもあるように、リンク=半コマと呼ぶそうですが、ここでは、紛らわしいのでリンクという名称に統一しました。
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長さは単純に古いチェーンと同じコマ数に
なるように並べて長さを決めましたが…
これではいけなかったんだろうか…。
いまのところトラブル無しに走れてます。
自転車屋のオヤジ曰く、
『デュラのチェーンを長く使うよりも
安いのでいいから3000`くらいごとに
定期的に替えていくほうがいい』
といってました。
古いチェーンに問題がなかったのなら,同じ駒数で問題ないと思います.ただし,それがベストかどうかはわからないということですね.もしましたら,無駄に長いままかもしれません.
自転車屋のオヤジさんの言葉は,その通りだと思います.ただし,自転車乗りには,”いいかっこしい”が多いのでデュラを使うことでニンマリという楽しみもありだと思います(笑)
デュラを3000kmくらいで換えていくのが,最もいいのでしょうけどね.
ピスト等のシングルギアで長さ調整のために、オスメス両方で出来ている半コマというのも存在しますよ。
コマとリンクを間違えて記述していました。早速修正し、その旨、補足しておきました。
ありがとう。
参考になってなりよりでした。