昨日の続き.*小さい画像は拡大できます.
●中央本線:塩尻−辰野
塩尻 12:19−普通(ワンマン)−辰野 12:39
塩尻駅を降りたわれわれの隣のホームに停まっていたのが,この赤い一両編成電車(一両でも編成というのであろうか?).最初は,それだとは気付かなかったのだが,電車の前には辰野と出ていたのであれかあと意味も無く拍子抜け.階段を上がって改札の前を通り,隣のホームへ行こうとすると,隊長がキオスクで野沢菜を見つけ,お買物.その間,窓から列車を撮影.それにしても一両の電車に乗るのははじめてだ.もちろんワンマン運転である.
この路線で一両の電車が運行しているのには理由がある.上の地図で説明しよう.
この地図で(1)が塩尻駅,(2)が辰野駅である.東京方面(右)から来て岡谷を経て,塩尻(1)に行くには,辰野経由と赤い線で示した塩嶺トンネルを通る路線の二つが存在する.最初からこの二経路が存在したわけではなく,元々は辰野経由しかなかったのだ.後から,塩嶺トンネルが開通し,大幅にショートされたルートになった.赤い線で示した部分を無視してみると,中央本線が塩尻−辰野−岡谷で丁度”Z”を描くように,曲がりくねっている様子が浮かぶ.そして当時,その”Z”の一角である辰野で飯田線が中央本線と接続していたのだ.
それが今となっては,塩嶺トンネルができたため,中央本線はそちらがメインとなり,辰野−塩尻間を通過する必要がなくなってしまった.それに伴い,飯田線は辰野発着の必要が薄まり,今では岡谷発着となったのである.ただし,岡谷−辰野間は今でも中央本線であり,それゆえ,辰野は今でも飯田線の始発・終着駅であるのだが,その役割は弱まり,中央本線経由で岡谷まで行く列車の通過駅となってしまったのである.
その塩尻−辰野間であるが,そのダイヤを調べようと時刻表で探したが見つからなかった.飯田線や中央本線の西側,東側を探したが見つけられず,コンパクト版の時刻表には掲載されていないと思ったほどである.それが中央本線の新宿−松本のページに掲載されているのを見つけたのは,しばらく後になってからであった.
塩尻から岡谷まで出て,そこから辰野へ行くというルートも考えたが(そちらのほうは本数は多い)そうしなかったのは,時代の流れに取り残されたかのような塩尻−辰野ルートを通って辰野へ行きたかったのと,やはり飯田線は辰野から乗り込むのが筋だろうという,少しばかり感傷の入った想いがそうさせなかったからである.
なお,塩尻−辰野を走る列車は,今のダイヤでは一日に10往復しかない.
この一両編成の列車で,右に左に,と揺られながら,のどかな田園地帯を通り抜けていく.そして,終点で目指すべき辰野駅に到着したのだった.