曲線で造形された椅子たちを見ていると,女性的であるというよりも彼女の師匠世代にあたるフィン・ユールの影響を感じます.機能がデザインの第一優先だった当時のデンマーク家具界において,円や円弧,楕円などの形からデザインをアプローチした彼女は,職人というよりもデザイナーの要素が強かったのでしょう.
写真の椅子は,彼女の代表作「Torinidad chair/トリニダード・チェア」です.会場は撮影禁止だったのですが,偶然入った階下のカフェでコーヒーを飲んでるときに,隣の席の椅子がその椅子だったのに気付いて驚いたのですが,よくよく見てみると自分たちもその椅子に座っていたのでした.これは偶然というよりも,それだけこの椅子がポピュラー(セブンチェアのように)ということなのでしょう.
さて,ある時「どのようにデザインするのか?」と尋ねられた彼女は,次のように答えたそうです.
「周りをみることに多くの時間を費やします.偶然みかけるモノの観察はもちろんしますが,特定の場所や建物を意識的にみるようにしています.いつも心に留めていることの一つは,みたモノそれぞれの関連性を見出すことです.」
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>重要なのは,”見る”のではなく,”観る”こと.
確かに見えているのと観るのは全然違い
ますよね。
細かなデテールだけに囚われると「木を見て
森を見ず」ですし、かと言って全体景
ばかりでは見えないことも有りますし。
その辺りのバランスが難しくもあり個性でも
有るのでしょうね!
カストラップでは,ケアホルムの椅子が大挙してお出迎えかと期待していたのですが,フィンエアだったので期待はずれでした(笑)トリニダードもありましたか.さすがデンマークですね.
北欧展が開催ですか.それは楽しみですね.レポお待ちしております.
まさしくそうですね.
関連性の話は,写真では主題と背景の話にも置き換えることができますし,写真撮影にも当てはまりますね.