:: Back to the radio | #1 FM誌とエアチェック

2007/05/07
┣ music 音楽


IMGP1215
PENTAX K10D+SMC21mmF3.2DA/2007-4-29/Hosted on Zooomr
click to enlarge

子供のころからテレビとは大の仲良しだった.夏休みに泊まりで遊びに行った親戚の家のテレビのチャンネル(その当時はリモコンは存在せず,ガチャガチャと回転させて選局していた)を壊してバカにしてしまったこともある.そのあと長い間,そのことを聞かされ続けて恥ずかしい思いをすることになったのだが.

それが中学にあがる頃から音楽を聴き始め,フォークからはじまって,ニューミュージックや洋楽と聴くものは,その都度変わっていったが,それらを聴くのはラジオだった.LPやEPといったレコード盤を買うこともあったが,こずかいの少ない身ではそれができるのは稀で,ほとんどの場合,ラジオをカセットに録音するという”エアチェック”が常であった.そのため,ラジカセからはじまって,ステレオコンポ.単体のコンポ.ずっとFMチューナーのない生活は考えられなかった.

「オールナイトニッポン」などのAMラジオの深夜番組も聴いたが,それらは”ながら勉強”の友であった.一方,その時間が待ち遠しく,ラジオの前で身構えて聴いたのは,FMの番組だった.AMに比べて,ステレオで高音質だったし,洋楽は専らFMでオンエアされていたからだ.

今でこそ増えたが,当時の愛知で受信することのできるFM局はFM愛知とNHK-FMの二局だけ.レコード盤を買う代わりに,そのFM局で放送される曲をカセットテープに録音しておき,繰り返し聴くのである.そしてこの行為,つまり,ラジオ番組で流れる曲をカセットテープへ録音することを”エアチェック”と呼んだ.

そこで活躍するのが,当時隔週刊で発売されていたFM誌(FM情報誌)だった.FM誌とは,簡単に言うと,今でいうところのTV情報誌のFM版と思ってもらって間違いない.そこでのメインの情報はエアチェックのための番組表であり,そこには番組毎に流されるほとんどすべての曲名とアーティスト名が記載されていた.それにあわせ,番組そのものの紹介の他,オーディオなどのハード情報,レコード評やアーティストのインタビューや記事,コンサート情報などが一冊に凝縮された情報誌だった.

そのFM誌には,「FM Fan」「FMレコパル」「FM STATION」「週刊FM」などがあり,クラシック系が強いとか,洋楽に力を入れているとかそれぞれの特色を出した誌面作りをしていた.お気に入りの雑誌を継続して買うというのが多かったと思うが,特集記事によっては,ほかのものに手を出していたりした記憶がある.

そういえば,FM誌の以外にも,毎週一回新聞の夕刊にも,FM誌と同じように一週間分のFMラジオ欄がついて来たりしていた.それから,これはもう少しあとになってからだったと記憶しているのだが,「ぴあ」にもFM局の情報が掲載されるようになったが,それもFM誌購買層を取り込もうとしたものだったのであろう.

さて,そのFM誌を発売日に手に入れると,まずは,番組でオンエアーされる曲を片っ端からチェックした.そして,自分の好みのアーティストの曲,気になっている曲にマーカーや色鉛筆で印をつけていくのである.

そこでつけた印を元に,印を付けた曲を録音すべくエアチェックの態勢を整えるのであるが,エアチェック=カセットテープへの録音は,すべて手動の操作で行わないといけない.それも一発勝負である.番組を全部録音しておいて,望みの曲だけをダブルのカセットデッキでダビングすればいいように思うだろうが,当時ダブルのカセットデッキは値段が高く,音も良くないということで,私の周りではあまり使われてなかった.

そんな一発勝負のエアチェックで失敗しないように,事前にテープの頭出しを完了し,デッキを録音のポーズ状態でスタンバイさせて,息を詰めて待つ.DJの曲紹介が終わり,曲のイントロが流れるまでのほんの一,二秒の間に,ポーズを解除して録音を開始するのである.

こうしたエアチェックが当たり前だった当時では,DJの曲紹介もエアプレイの前と後の二度行うというのが,セオリーだった.したがって,曲紹介が曲にかぶるなんてのは,もっての外であり,そんなことをするDJは,エアチェック族には疎まれたものだった.

それでも,曲紹介のあとの時間が短いかったり,(意図的ではないのだが)DJにフェイントをかけられたりして,ポーズ解除のタイミングが悪くて,イントロが切れ,失敗することもあったりして,毎回ちょっとしたスリルを味わったものだった.

カセットテープが使用されなくなった今,エアチェックという行為は,もはや行われなくなってしまったのであろうか.エアチェックにまつわるあのときめきは,体の奥にくすぶっているのであるが.

次回は,当時よく聴いていた番組について書いてみるつもりである.


Related posts:
Back to the radio | #1 FM誌とエアチェック
Back to the radio | #2 あの頃,いつも聴いていたラジオ
Back to the radio | #3 チューナーのある生活

ピクニックにはうってつけの日
ELVIS COSTELLO/エルヴィス・コステロ


22:11 | Comment(12) | TrackBack(0)
Tags: radio ラジオ FM AM テレビ チューナー FM誌 エアチェック
:: comments on entry
yanzさん、今晩は。
私は、毎週「レコパル」を買っていましたよ。あのころのFM雑誌はホントに楽しかったです。カセットテープですが、メタルだのクロームだのと高級品が次々に発売されてました。音が良かったのかどうかは未だに判りませんです。
Posted by 竹輪 at 2007/05/08 01:08

ラジオから録音するときのドキドキ感、懐かしいなあ〜♪

ドゥビドゥビドュン♪ ドゥビドゥビドュン♪ こんばんわ〜こんばんわ〜もうひとつおまけに こんばんわ〜。
私はFMラジオというとFMバラエティーを思い出します。
Posted by tsukasanohide at 2007/05/08 10:23

こんにちは。
そうでした。エアチェックは真剣勝負。現在のように前奏の部分にかぶせてDJが曲紹介なんて、あり得なかったですね。
それどころか、NHKでは「5曲続けてどうぞ」なんてよくありました。
夕刊のFM欄も覚えていますよ。私は映画音楽が好きだった(←変な子どもでした)ので、FM愛知の駒村さんがやっておられた番組を欠かさず聴いておりました。
レコードなんて滅多に買えなかった少年時代を思い出しました。
Posted by Nobu at 2007/05/08 12:03

いや〜、拙著をトップの写真に使用していただけるとは…。ありがとうございます。う〜ん恥ずかしい。
 僕も中・高時代はエアチェッカーでした。購読していた雑誌はFMステーション。読者投稿欄の超常連((C)山下達郎)、しかも本名で。ACは1曲だけじゃなく、日清パワーステーションとか、松浦雅也のサウンドストリートとか、番組丸ごと録音とかしてたなあ。
Posted by Naito Masayasu at 2007/05/08 18:35

そうですね。熱かったですね〜あの頃はw
レコードなんてトンでも無かったですもんね。お年玉で買うか買わないかものすごく
悩むってくらいのものでしたから。

お金持ちの同級生が、テープを切って
はっつけるキットを持っていて、少々のミスは力ワザでクリアしてるのをとてもうらやましく見てたのを思い出します。

コーセー化粧品歌謡ベストテン
ダイヤトーンPOPSベストテンと、
土曜日にダッシュ学校から帰った記憶が
よみがえりますねぇ。熱かったな〜。
Posted by ひみよし at 2007/05/08 19:54

エアチェック なんて郷愁を誘う言葉でしょう
確かにあの録音は真剣勝負でしたね
わたしが思い出すのはカセットより前のオープンリールの頃のこと
ラジオから直接ではなく スピーカーの前にマイクを置いて録音してたこと
もう録音中は物音ひとつたてられないあの息苦しさは
今の若者には到底味わえない緊張感でしょうね
Posted by k-masa77 at 2007/05/08 20:02

竹輪さん,いらっしゃいませ.
「レコパル」派でしたか.「レコパル」も濃かった記憶が..(笑)
クロームにフェリクローム,メタルテープ,やけに高かったですけど,音の違いは確かにあんまりなかった気がしますね.それに,ノイズリダクションもDOLBY BとかCとか,dbxとかいろいろなものがありましたね.
竹輪さんには,#3で登場してもらいますので宜しくです.
Posted by yanz at 2007/05/08 21:36

tsukasanohideさん,いらっしゃいませ.
「FMバラエティ」???
次回の記事に書きましたけど,最初は思い出せなかったのですけど,検索したらDJだった青木小夜子さんの名前があって,思い出しました(笑)
こんばんわ〜こんばんわ〜もうひとつおまけに こんばんわ〜。
これは覚えてます.
Posted by yanz at 2007/05/08 21:40

Nobuさん,いらっしゃいませ.
> NHKでは「5曲続けてどうぞ」
ありましたね.全ての曲をエアチェックする時はよかったのですが,途中の曲を録音するときは,ずっと気が抜けませんでしたね.
映画音楽がお好きだったのですね.確かにそれはレアですね(笑)ということは,イージーリスニング派だったのかな.
Posted by yanz at 2007/05/08 21:45

Naito Masayasuさん,いらっしゃいませ.
勝手に写真を使わせてもらいました.結局,全部読みきりました.堪能させてもらいました.
エアチェッカーって言葉使ってましたか?あんまり記憶にないですね.
「FMステーション」派でしたか.鈴木英人のイラストが目だってましたね.それにしても,投稿欄の常連とは,行く末を案じしてたんですね(笑)
Posted by yanz at 2007/05/08 21:50

ひみよしさん,いらっしゃいませ.
> テープを切ってはっつけるキット
そういえば,そんなんありましたね.私の周りでは使っているヤツはいなかったなあ.デッキを友達にうちに持っていってダビングしたことはありましたけど(笑)
唐突に思い出したのですが,”エンドレステープ”ってありましたよね.8分とか15分とか.数曲入れてそればっかり聴いてたっけ.
Posted by yanz at 2007/05/08 21:56

k-masa77さん,いらっしゃいませ.
オープンリールを使われてましたか.私には憧れの的でしたね.
> スピーカーの前にマイクを置いて録音してた
オープンリールではないですが,これはラジカセでしてましたね.なんでそんなことをしてたのかは,忘れてしまいましたけど,録音中は部屋を出ていたような..それでも,ドアの開閉が録音されてたりしてね(笑)
Posted by yanz at 2007/05/08 22:04



:: feel free to leave a comment!
Name: [necessary]

E-mail:

URL:

Comment: [necessary]

Verification Code: [necessary]


**Type letters displayed in shaded area./上の4桁の数字を半角で入力下さい


!! 下のボタンを押す前に,お手数ですが上の四角に8889を半角で入力願います !!
Thanks a lot!

Trackbacks on entry
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。