ブログを続けていると,当然であるが記事が増えていく.そして,時間を軸にして記事を提示するのを特徴としているブログでは,過去の記事は,その内容がどうあろうが,新しくポストされる記事の間に埋もれていってしまう.ブログの由来が weblog という単語なのだから,時系列的な見せ方がベースになるのは当然だろうし,それが嫌ならブログ以外のツールでwebサイトを構築すればいいことなのかもしれない.そうなると,このジレンマは,ブログなり,それ以外のサイトなりに,何を望むのかということになってくるのであろう.
ただし,簡単にサイトを構築し,更新し続ける仕組みを持ったツールやサービスがブログ以外に存在しない現状では,情報発信のために積極的にブログを使う反面,その特徴である時系列性を足かせに感じるというジレンマを,ブロガーは多かれ少なかれ持っているのではないだろうか?
もちろん,日常の出来事を日記のように書くことがメインのブログは,その日に起こったことを書くことにこそ意味を見出しているのであろうし,書いて公開してしまえば,書き手の興味はサッサと次の記事へと向っているのかもしれないけど,それにしても過去の記事を放棄している訳ではなく,それなりの思い入れもあるはず.
そうであれば,過去の記事をサルベージ,わかり易く言えば,いかに過去の記事にアクセスしてもらうかは,ブロガーにとってそれなりの関心事になってもおかしくない.
いかに過去記事にアクセスしてもらうかを考えるとき,自分の体験としては,現状では以下のようなものが思い浮かぶ.影響の大きいものから挙げてみよう.
- 検索エンジンからのアクセス
現時点で過去の記事へ辿り着いてもらうことに,最も貢献しているのは,この検索エンジン経由である.ただし,これも時間が経つほど,検索の順位が下がっていくというさだめにあっては,古い記事ほど検索結果の海の中に埋もれてしまう.それから検索結果そのものは自分ではどうしようもなく,そういう意味では受動的である(ここではSEO云々のことは言わない). - カテゴリーからのアクセス(追加)
大事なものを書き忘れていたので追加する.訪問先のブログでカテゴリーをクリックして,まとめて表示させるということは,自分でもするし,このブログでも結構行われる(このブログでは,"Bycicle/自転車" のクリックが多い).これは興味ある記事を見たいという欲求を満たすための至極真っ当な動作である.このブログで”カテゴリー”を"menu"と表示しているのは,このことによる.
これらのことから,メニューのサブツリー化などカテゴライズの表示を改善することによってアクセスを誘引する手法は有効なのは間違いなく,ブロガー側が積極的にやれることの一つ. - 過去記事へのリンク
今まさに投稿しようとしている記事から関連した過去の記事へリンクを貼って道を作るというのがこれ.どの記事にリンクするかなどを考えたり,実際のURIを拾ったりと結構手間がかかる作業となる.それから期待するほどクリックしてくれないというが実感である(記事を読み終わった時点で,既に読者の興味・視線は別のところに行っているのではないかと推測しているのだが).
この逆に,古い記事から新しい記事へのリンクも含めて,そのあたりの内部でのリンク付けの機能がブログ・ツールには不足していると常々感じている.例えば,過去の記事のリストが表示され,選べばリンクが完成するなどだ.もしかしたら,Movable TypeやWord Pressなどのブログツールには,こういった機能を実現するプラグインが用意されていたりするのかもしれないが,そのように見えるサイトにはお目に掛かった記憶はない. - トラックバックからのアクセス
何か手順や説明をするといったような読者にとって有効な記事であれば,それに類似する内容の他のブログにトラックバックすることでアクセスを呼びこむことが期待できる.ただし,これも記事が限定される. - カスタマイズ機能を使って,トップページやサイドバーに見せたい記事群のメニューを表示
自分で実行していないので不正確だが,比較的有効だと推測される.ただし,カスタマイズにかかる手間自体は大したことはないが,ネックとなるのは,そのカスタマイズが一度行えば済むと言うものではなく,記事の増加に合わせ,更新していく必要もあるところである. - タグ経由のアクセス
サイドバーや記事に付けられたタグクライドなどでタグを表示し,読者のクリックを誘う.ある目的を持って来た読者には有効であるが,タグクラウドはある種見た目重視の面もあるので,見た目ほどの効果は期待できない. - (ソーシャル)ブックマークからアクセス
そもそも記事にブックマークしてもらえなければはじまらないことを考えると,極めて受動的.それに記事が限定される.
さて,最近のことであるが,"statistics googlemaps mapstats"という検索で辿り着いた海外のあるブログでビックリさせられた.本文の下に,それとは別に,まさに自分で検索したワード"statistics googlemaps mapstats"とそれに関連したエントリーが並んでいたからである.そのブログは Wordpress で作成されていたのだが,筆者に尋ねると,どうやらそういったプラグインがあるらしい.動的生成のツールならではの機能だなあと,静的生成のブログしか使ったことのないものからすると,目から鱗の体験であった.トップのスクリーンショットがその時のものである.
動的生成については,それに伴うサーバーへの負荷云々が議論されたりするが,こういったメリットの方こそ語られるべきであろう.考えるまでもなく,過去の記事をサルベージするという観点では,アクセスする側にとって痒いところに手が届くかのようなことが実現可能な動的生成は,極めて有効であり,今後益々活用されるのではないだろうか.
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え〜っと、Google AjaxサーチのAPIで、同様に動的に関連する検索結果をエントリページ内に反映させる手法があったりします。APIキーの取得とヘッダ内での読み込みなどの一連の手間と、キーワードを明示的に渡してやると言うお作法はありますが、おっしゃるような内容を汎用的/プラットフォーム非依存でページに反映させるには便利だと思います。
Google様の最新の検索結果に依存した正に「動的」なのものなので、果たしてそれが書き手の意図したものかどうかという点では若干のブレがあるような気もしますが、キーワードとの連携で相乗的なSEO効果も見込めそうですし。
Google様のスパイダーの動きを見ていると、過去の記事でもヒット率が上がってきたものは再度キャッシングが行われたり、それに釣られて他の検索エンジンのスパイダーがキャッシュしにきてたりするので、やはり過去のエントリも「ひと手間かけて」おいてやればけっこう息が長く読んでもらえるかも知れませんね。
特に私の場合はブログそのものを移転させたりしていますので、連続性も断たれていますし尚更気にしなければならない立場なのかもしれません。気楽に適当なことを書いてますから、あまり深くまで考えませんけれど(笑)
やっていることといえば、ブログ内検索が過去ログ閲覧のための働きをしていると思うので、一応残しているくらいです。
そうですか.Googleでも用意されているのですね.Google Co-opってヤツかな.
ということは,静的生成ブログでも,アクセスの検索ワードを使って,関連した記事を表示できるということでしょうか.
もしそうなら素晴らしい.さすがadsenceのgoogle様.これは少し勉強せねば.
それも自分自身の検索がベースとなってるということですか.厳しいといえば,厳しい(笑)
そうなると,SEO対策にサイトマップの扱いがますます重要になってくるのでしょうね.それにしても,こうやってますますGoogle検索に縛られていくような気が..それもなんだかなあ.
川の果てさんのブログは,記事数が半端じゃないので余計に影響は大きいのじゃないでしょうか?一週間前の記事がすでに最新記事のリストからはずれてしまってたりしますよね.そうなると,あとは検索頼みですから.
それなりによく書けたと思った記事と,ある種書き捨ての記事が同じ扱いになってしまうのは,もったいないですよね.なんとかしたいものです.
http://hmdt.co.jp/manda/blog/?p=119
ブログをこのMandalArt形式にできると、時間軸での情報の蓄積でないまとめ方ができるので面白いと思います。蓄積した情報をシャッフルして、MandalArtにあるロジックでランダムに関連化させて再展開させるなどを自動的にあるタイムスタンプで行うとか、ブログを閲覧する側にもシャッフルできるようにすると楽しいかもしれません。偶然性からイマジネーションが生まれそうです。ブログの閲覧者は中心マスに知りたい情報のキーを入力すれば、その周囲にブログの元記事+ツイッターといったsnsの情報(以下説明)も並ぶなどの仕掛けがあっても良いでしょう。
なお、自分の記事だけではネタが増えないので、ツイッターといったsnsの情報も上述の展開時に幾つか表示できるとさらに面白いかもしれません。その中でフラグを立てられるようにすれば、それら情報もその後のシャッフルで使えるようにするなどです。もちろん、ツイッターといったsnsに対してもこのMandalArt風のブログのマスから直接ツイートできるようにします。
素人考えでスミマセン。