といっても,ドラ・ファン一筋ではないのです.うっすらと記憶に残っているだけですが,小学校の低学年の頃は,今の横浜ベイスターズ(”ゲイスターズ”と打ち込んで,思わず苦笑)の前身,大洋ホエールズのベースボール・キャップを被っていたこともあります.大洋ホエールズといえば,あの緑と橙(オレンジ)のチームカラーの配色が強烈に印象に残っています.緑と橙の配色といえば,国鉄〜JRの東海道線で活躍していた列車の配色も同じでしたね.自分には原風景というか,好きという次元を越えた原配色といった感じ.
もう少し経って小学生の高学年の頃は,タイガースのファンでしたね.丁度,田淵が活躍していた頃ですね.その頃学校で流行っていたのが,ベースボール・ゲーム.ベースボールゲームといっても,野球盤を使うのではなく,用意するのは紙と鉛筆と消しゴム.紙と鉛筆を使って,スタジアムとダイヤモンドの輪郭を書き,グランウンドの中にヒットやホームランのエリア(閉曲線)を描くのです.後は,消しゴムのカスを丸めて作ったボールをピッチャーが投げて(というより,転がして),バッターが鉛筆で打ち返して,ヒット!アウト!を決めるという,今考えると,なんとも素朴なゲームでした.
ゲーム自体は単純だったのですが,自分のチームを決め,プロの公式戦さながらのようにやっていましたね.もちろん,オーダーは自分で考え,選手ごとのヒット・アウトの記録を付けて,打率を出したり,チーム間の勝敗でその時の順位を決め,ゲーム差を出したりしてました.私が選ぶチームは,当時,タイガースだったのです.
その後,いつの間にかドラゴンズ・ファンになってましたね.いつ頃そうなったのか,定かじゃないのですが,おそらく,中学校の頃でしょう.その理由も覚えていませんが,周りの環境がそうさせたのでしょうね.
そしてドラゴンズと言えば,当時の本拠地は「ナゴヤ球場」でした(確か,その少し前には,「中日スタジアム」と呼ばれてた).そのナゴヤ球場へ野球を観に連れて行ってもらったのは,小学生の頃(その当時は阪神が好きだったので連れて行ってもらったのは阪神戦だったかなあ).今でも思い出すのは,グラウンドの土と芝生の緑,そして,夕暮れの薄暗い空に映えるカクテル光線.持っていったカメラで写真を撮ったら,フラッシュでフェンスがオレンジ色に光ってしまい,全部失敗写真だったのを覚えています.
今まで球場で観戦したドラゴンズの試合で最も印象深いのは,ドラゴンズが優勝した1982年9月28日の試合.これでピンと来る人は,相当のドラ・ファンですね.この年,巨人とペナントレース争いをしてきて,首位巨人,2.5ゲーム差の二位にドラゴンズで向えた,天王山三連戦の最初の試合.この日の巨人の先発は江川.当時の江川といえば,全盛期にあってちょっとやそっとじゃ打てない投手でした.この日も,その江川に抑えられて,9回の表が終わった時点で,6対2で巨人のリード.ドラゴンズは,ソロホームラン二本で2点とっていましたが,これ以上江川から得点するのは難しい雰囲気.球場内も負けムード一色でその時点で帰った人も多かったですね.それが,代打豊田のヒットを足がかりに,あれよあれよという間に点を入れ,キャッチャー中尾の一打で同点に.内野席にいた私も回りの人もみんなが立ち上がって応援していました.スタンディング・オベーションとかいう格好いいものじゃなくて,お祭り騒ぎでした.そして,延長10回の裏,大島のサヨナラ・ヒットでまさかの逆転勝利.この時の観客席は,歓声というか,叫びがまあすごかったですね.私も含めてでしたけど.この勝利でドラゴンズに逆マジック12が点灯.この試合があったから優勝できた試合でした.この奇跡の逆転劇から巨人を三タテしたドラゴンズは,最終の130試合目での優勝.古くからのドラゴンズ・ファンなら忘れられない,思い出深い試合のはずです.
逆に,94年の10.8の巨人との最終決戦は,当時アメリカにいたのでほとんど知らないのです.知らない方がよかったのでしょうけどね.
そして,2006年9月16日.山本昌のノーヒット・ノーラン試合.これも忘れられない試合になりました.ナゴヤドームになってから密閉した空間で観戦するということが生で観戦する楽しみを半減させている気がして,足が遠のいていたのです.今シーズンもこの日が最初の観戦でした.親父からチケットがあるから行くかと言われて,それじゃあといった感じで出掛けたのですが,終わってみれば,これが球史に残る試合となりました.7回くらいから観客席がザワザワ落ち着かない雰囲気がしはじめて,8回にドラゴンズの攻撃で先頭打者の谷繁が四球で出塁して,次の山本昌に順番が廻ったときに,そのまま打席に入る山本昌を見て,観客から一際大きな拍手が送られたのが印象的でした.その時は,3対0というスコアで阪神の打撃を考えると,ノーヒットでなければ代打が送られたことでしょう.その後の9回の守りは,観客が固唾をのんで見守っている様子がありありと感じられました.最初のバッターは代打のスペンサーでセンターフライを打ち上げたのですが,ひと目アウトの飛球だったのですが,少し大きかったので観客席からは悲鳴めいたものも聞かれましたね.そのあとの代打の中村豊をサードゴロ,先頭に戻り,赤星もサードゴロに打ち取り,ゲームセット.赤星が打ったサードゴロを森野が捕球して,一塁へ投げ,一塁の渡辺が捕球するまでは,ものすごい声援の中,スローモーションのように時が流れました.ホントにいいものを見させてもらいました.
こういうことがあるから観戦はやめられませんね.これからは,もう少しドームにも足を運ぼうかななんて考えてます.
- Related entries:
- DxT
- DxT 2
- DxT 3
- DxT 4
- DxT 5
- DxT 6
- DxT 2
- Related links:
- 2006.09.16 中日×阪神 山本昌ノーヒットノーラン達成 9回表全投球
- http://www.youtube.com/watch?v=uSFCwTni5GA
- 2006.09.16 中日×阪神 山本昌 ヒーローインタビュー
- http://www.youtube.com/watch?v=4Po9EW3nWBc
- http://www.youtube.com/watch?v=uSFCwTni5GA