:: Down the three scandinavian capitals| STOCKHOLM-KOBENHAVN



Stockholm での二泊はあっという間だった.滞在中にどうしても行きたかった場所は,昨日二箇所とも行くことができた.Erik Gunnar Asplund(エリック・グンナール・アスプルンド)の設計した The Woodland Cemetery/Skogskyrkogården*1 と Stadsbibliotek/ストックホルム市立図書館.
*1
Sigurd Lewerentz(ジグルド・レヴェレンツ)との共同設計
DSCF0008The Woodland Cemetery の入口を入り,墓地内に続くゆるやか上っている小径を進んで行く.次第に,広大な芝の緑の空間が広がってくる.そして,小径の遥か前方に,朝日の光を後ろから浴び,静かに屹立する十字架が見えてくる.清らかで心洗われる瞬間だった.なんという開放的なランドスケープなのだろう.死者はこの広大な空間で安らかに眠り,そして次なる世界へと旅立つ.

日本では,墓地や霊園などを設計するという考えは,一般的ではない.でもこちらでは,思想の違いなのか,宗教観の違いなのか,はたまたデザインに対する考え方の違いなのか,それが当たり前のようだ.

この墓地の設計者である Asplund は,ここが完成した1940年に息を引き取り,自らが設計したここに葬られている.緑の中に立つ十字架のそばにひっそりと,その簡素な墓はあった.

DSCF0128Stadsbibliotek に訪れた時,円筒状のメインホールへ通じる通路は閉鎖され,9/30まで改築工事中との掲示がされていた.メインホール以外の一階のみでの開館だった.それを見て,館内を上から眺められないのかとガッカリしていた.しかし,隊長が入れてくれないかとデンマーク語で尋ねると入れてくれるという.希望する人には開放していたのだ.隊長の行動力には,今回の旅では随分助けられている.現地の言葉でずばりと向かうその姿勢には,感心しきりである.中途半端に英語ができると,英語に頼ってしまい,それが却ってよくない.

Stadsbibliotek の階上からの眺めは,圧巻そのもの.巨大な円筒状の吹抜け空間の円筒部分に,ビッシリと蔵書が収納されている.蔵書の一冊一冊が巨大なジグソーパズルの微細なピースにように感じられる.円筒の底辺にあたる部分に受付デスクが並んでいるが,今回は工事中で人が誰もいないため,ひときわ蔵書の存在感だけが迫ってくる.

「ねえ.今,何か考えていたでしょう」

という声に,我に返った.Stockholm での最後の朝食を摂っている最中に,昨日訪れた Asplund建築のことをボンヤリと思い出していた.今日は,これからStockholmでのホテル "Clarion Hotel Stockholm"*2 をcheckoutをして,中央駅からSJ(スウェーデン鉄道)のX2000に乗り,最後の目的地 DENMARK の Kobenhavn/Copenhagen に向かう.

*2
このホテルは,Tunnelbana(地下鉄)でT-centralen(中央駅)から4つめの駅 Stanstull(スタンスチュール)の出口を出たところにあり,T-banaがメインの交通手段となるStockholmではとても便利な立地で重宝した.内部の造りは,スタイリッシュで部屋も広く,バスタブもついていて,とても使いやすかった.おまけに,Breakfastには和食(と表示されている)が用意されており,豆腐入りの味噌汁,米(パサパサのタイ米)や海苔・漬物(柴漬け,キューリのきゅうちゃん)を食べることができた.毎日同じようなハムやチーズに食傷気味だったので大変おいしく食べられた.ただし,練りワサビやガリが置かれていたのは,ご愛嬌であろう.

Swedenに来て感じたのは,新しさと古さが同居しているということと,Helsinki よりも都会ということもあり洗練と乱雑さが同居しているということ.Helsinki で見られた中世そのままの佇まいは,Stockholm では薄らいでいる.また,街全体にゴミが散乱しており,それは残念だった.それからアメリカの影響を感じた.日本程ではないが,街に英語の看板や広告が目立つようになり,街では英語の歌が聞こえてきた.そして,レストランに入れば,Heinzのケチャップが常備されているといった具合である.

DSCF0042ということを思い出しながら,乗車したX2000の中で,これを書いている.2等車両はほぼ満席.それも長距離の旅行者が多いと見え,入り口にあるluggage spaceはスーツケースや大きなリュックサックで溢れ返っている.そういえば,プラットフォームで自転車を見かけたが,自転車もどこかに乗せられているのかもしれない.乗り込んだのは,6両ある車両の3両目.持っているチケットの座席No.は66と70だったが,これは隣同士ではなく,進行方向に向かって右側の窓際の前後だった.そこで66の通路側の席である65の切符を持っていた女性に70の席と替わってもらった.なお,一等車両では,人はまばらだった.そこには,コーヒーや軽食が置かれていた.

DSCF0013Helsinkiでもそうだったが,こちらの駅には,日本のような改札口はない.プラットホームへは自由に出入り可能である.切符の確認は,車内での車掌の検札だけ.乗り込むと車掌が来たので,SCANRAILに今日の日付を書き入れ,日本で購入して着た指定席券と一緒に渡す*3.Kobenhavn まで行くのか?それとも,その先にどこか行くのか?と訊かれたので,Kobenhavn が目的地であることを告げると頷きながらチケットを返してくれた.

*3
SCANRAILが二等の乗車券の代わりとなるが,指定席券(14ユーロ)は別に必要.ちなみに,SCANRAIL PASS(FLEXI5日間)は238ユーロ.
DSCF0117Stockholmの自転車事情について,少し書いてみる.残念ながら,ここでは自転車に乗ることはできなかったが,Helsinkiよりも自転車文化は発達しているように見えた.Helsinkiと同じように,自転車道はほとんどのところで整備されているがその路面の状態や幅がHelsinkiよりもいいように見えた(Helsinkiでは,石畳の道だったり,幅が狭く追い越しが困難な所もあった).ヘルメット着用が当たり前なのは Helsinki と同様であるが,Stockholmではレーパンにジャージ姿でストイックに飛ばすロードレーサー(あるいは,ハイスペックなMTB)を沢山見掛けた.これは Helsinki ではなかったことだ.速度は30km/hrは出ているだろうか.坂もそれなりの速度で登ってくる.これだけのロードレーサーを日常的に街中で見かけるというのは,残念ながら日本では,ない.それだけハイエンドの層が厚いということであり,プロのロードレースで活躍するプロレーサーの現われる土壌があるということなのかもしれない.これから行く DENMARK という国は,ツール・ド・フランスで昨年・今年と二年連続山岳王とに輝いたラスムッセンを生んだ国である.もっと進んでいるのかもしれない.

こう考えると,日本も政策として自転車が走り易い街づくりをしていかないとサイクルスポーツのレベルの引き上げは困難なのではないだろうか.日本のように,車道の路側帯に余裕があってそこを走れるのであれば,それはそれで走り易い反面,歩道のように段差があってはまともに走れないので,一概に自転車道がいいとは言えない面もあるが,自転車道そのものが重要なのではなくて,歩行者や車と分離し,走り易い環境が重要なのである.だから,自転車を歩道に追いやり,歩行者と一緒にしようとするのは言語道断.仮にそうするのであれば,全ての歩道を自転車と歩道に別け,その上で自転車用の方は段差をなくす工事が必須である.

さて,10:20発 Stockholm 発のX2000 529号は,終点の Kobenhavn には15:33に到着する.14:28 LUND C 駅に停車.先ほどまで車窓は雨で煙っていたが,いまでは眩しい日が差している.この後,すぐ先にある Malmö からオーレスン大橋で国境を越える.そして,Kobenhavn. 今度は何が待ち受けているのだろうか.


補足
Kobenhavnに来て,これを書いている.自転車に纏わることで感じたこと.残念ながら,街中で見かける自転車はStockholmほどではない.街行くロードレーサーは一台も見かけていない.ジャージやレーパンどころか,ヘルメットを着用したライダーも稀である.ただ,ラスムッセンと書かれた自動車は見掛けた.
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