:: 境川遡上|平成大橋〜郡界橋まで



全国各地に”境川”という名前の川が多く存在します.
その名の通り,地理的に地域の境を形作る(あるいは,形作った)川です.今回の”境川”は,尾張の国と三河の国を分ける川であり,今現在は,三河の西のはずれである刈谷市,三好町と尾張の最東に位置する東浦町,大府市,豊明市,東郷町の市・町境を流れる二級河川です.

さて,その境川の流れを遡る計画を実行しました.
今回の計画には伏線がありました.

以前, 春風をあつめて,知多半島縦走 という記事の中で,境川を衣浦大橋から東浦町側の堤防を沿って平成大橋まで帰ってきたことを書いたのですが,これに対し,自転車仲間の JJさん からコメントを戴きました.

平成大橋より更に1本北の境川橋まで利用してます。 さらにその先の境橋手前まで行けますが、産廃処理場?の先で、 行き止まりになります。それより手前で左脇に入れますが、 大府の陸橋方面に行くためには、ダートになってしまいます。 したがって、境川橋までが効率がよいと思います。 すぐ南手前で水門を東に渡らないと、大回りになりますね。
commentted by JJさん
これに対し,以下のようにレスを付けたのでした.
JJさん,興味深い情報の提供ありがとうございました.
そうですか.境橋までは行けないのですか.確か,もう一本刈谷側,たぶん境川と逢妻川の間に堤防道があるはずです.確か,それは境橋へ出ているのじゃないかなあ.その堤防道を国道155号側から南下しようとしたことがあるのですが,途中でダートになってあきらめたことがあります.これはクロスバイクで再挑戦かな(笑)
でもああいうあまり使われない道を行くのは,探検しているようで興味をそそられますね.
commentted by yanz
このコメント以来,いつかは行きたいと思っていたのですが,この日の夏を思わせる陽気に誘われ,連休中なので遅くなってもいいという思いもあり,出掛けられたのは15:00過ぎでしたが,jump in.探検計画の遂行です.

基点は平成大橋,そこから境川を遡上し,当面の目的地は155号線.それより先は,行ける所まで.気分はすっかり,ハックルベリー・フィン(^^)

IMGP1189基点となる平成大橋.
IMGP1188平成大橋の歩道から境川中州の堤防に降りる道を行きます.左は,五ケ村川,右が境川です.
ちなみに,平成大橋には,この道の東側にも中州堤防に降りる道がもう一本ありますが,そちらでも上流の橋まで行けます.
IMGP1192左手に立派な五ケ村川水門を通り過ぎます.
IMGP11932,3km走ると,境川橋に到着.
IMGP1197後ろを振り返ると,緑色の平成大橋が見渡せます.
IMGP1196ここは,三つの橋が連なっており,西側(東浦町側)から,緒川橋,境川橋,市原橋です.
この写真は,尾張(東浦町)側の緒川橋より,三河(刈谷市)側を望んだ所です.
IMGP1210境川橋を抜け,そのまま直進します.
途中,道が二手に分かれます.とりあえず,左に行きます.
この道は,JJさんのコメントによると,ダートになり大府の陸橋の方面に向かっているとのことでした.
IMGP1203JJさんのコメント通りでした.
産廃処理工場の左を通り過ぎた先でダートになり,大きく左にカーブして境川とは離れて,大府市内の方へ行ってしまいます.
ということで,先ほどの分岐点まで引き返し,右の道を行きます.
IMGP1204こんな感じで進みますが,この道もやはり産廃処理工場の先で行き止まりになってしまいます.
IMGP1212境川橋まで引き返し,もう一本東側の道を行きます.
入り口には,一方通行の標識が出てました.ということは,とりあえずどこかまで行けるのでしょう.
IMGP1216こんな感じの道を行きます.左側を流れるのは境川,右側は逢妻川.
左岸は先ほどの通行止めの道です.
IMGP1217この堤防の上で見かけた埋め込まれた標示板.
平成12年というのは,愛知県各地で水害をもたらした東海豪雨があった年です.境川や逢妻川も決壊し,甚大な被害を被りました.
これはそのときの復旧工事の標示板.
IMGP1218このあたりで自転車の写真.今回はダート走行に備え,クロスバイクで来ています.
IMGP1219やっと境橋に到着です.下を流れるのは,逢妻川.
橋は中央部とその両側が全く異なる意匠でデザインされています.橋げたの形も違うことから,古い中央部の部分にあとから両側を追加したように感じます.
中央部のアーチの丸みはとても厚みがあって優雅な感じ受けます.
なお,下の方に釣り人が写っていますが,この日はそういう潮のめぐりなのか,鯉が群れを成して川を遡上していくのを見かけました.自転車も鯉と一緒に遡上中です(^^)
IMGP1221そして,こちらは境川に掛かる刈谷橋.なかなか風情のある堂々とした橋です.
IMGP1233尾張(大府市)側から三河(刈谷市)側を望む.手前の橋が刈谷橋です.
両方の橋とも,両側に立派な八角形の高欄を持っており,昭和9年3月竣工と書かれていましたので,建造されてから70年以上が経過しています.
橋上は車二台がやっとすれ違える幅しかないので,歩いて渡るのも気を遣うのですが,当時は今の自動車の発達を予測できるはずがありませんね.
IMGP1236
IMGP1239
さて,ここで行く手を阻む事態が発生.
この先のJR東海道線で橋の架け替えをしていて,その影響でこれ以上堤防を進めません.前方に見える吊橋がそうです.先ほど述べた東海豪雨の時にここが原因で刈谷−大府間が何週間か不通になったのでその恒久対策かもしれません.
それにしても,通行止めの期間「将来にわたり」ということは,もう通れないということでしょうか.
なんとか自転車や歩行者は通れるように復旧させて欲しいものです.
IMGP1242これが付け替え中のJRの吊橋.
すでに,列車はここの上を走っています.なんとか中州堤防の下を通せないものでしょうか?
IMGP1246仕方ないので迂回しました.
逢妻駅の横を通り,そのまま逢妻川の刈谷市側を進みました.途中で送電鉄塔をバックに一枚,パチリ.
IMGP1249ここでやっと国道155号線の境大橋に出ました.
写真は,三河(刈谷市)側から尾張(大府市)を見たところです.
IMGP1251探検はまだ続きます.
境大橋を中ほどまで渡って,155号線の下(境大橋)をくぐり,境川と逢妻川の中洲堤防に戻ります.
IMGP1264そのまま進み,刈谷市清掃センターの横を通りすぎたあたりから,ダートになりました.
ここから先は,ほとんどずっとダートでした.
後輪が小石に乗り上げ,弾くたび,スポークがビビるのを気にしながら,慎重に走ります.でもスピードを緩めることなく,走ります(^^);
IMGP1267
IMGP1266
東海道新幹線の手前にひっそりとした橋がありました.記銘を見ると,一部欠けてますが,なんとか清水橋と読めます.

この清水橋について,国土交通省中部地方整備局の発行してる広報誌「いきいき中部」2005/5月号に,早稲田大学教授の佐々木葉氏が,以下のような記事を寄せられています.
思っていたよりも長く,立派であった.そして立体感のある高欄.現在の規定よりも低いので橋の上が広々している.下から見上げると,二列に並んだ桁を橋脚の上で繋ぐアーチ状の横梁があった.橋脚にも緩いカーブが使われていて,全体的に弾んだ印象がある.(中略)
洗練さやかっこよさはない.特別な由緒や希少性もないかもしれない.しかし,この場所のこの橋にしか伝えられない何かがある.歴史の裾野を広げる小さな,でも大切な登場人物の一人だと思う.
とても印象的な素敵な文章でしたので,この記事を読んだ後,ずっと記憶に残っていました.そのため,この橋を見るのも今回の目的のひとつだったのです.
ところで,佐々木さんが,この無名の橋を訪れた理由は,新幹線の車窓から見ていて気になっていたからだそうです.
こういうことを聞くと,うんうんとうなずいてしまう程,嬉しくなりますね.これこそ冒険です.

IMGP1271新幹線の下をくぐり,先に進みます.次に出たのは,この境川橋.
それにしても,同じような名前の橋が多いです(^^)
この橋は近代的な立派な橋で,西に向かえば大府の北崎,東に行けば刈谷の泉田に出ます.
IMGP1275日も暮れかかり,あたりは薄暗くなってきました.
前方に見えるのが,国道23号線.名四国道です.
このあたりでは,すでに境川の左岸は豊明市です.
国道の下をくぐって,さらに先を急ぎます.
IMGP1280あららら.今度は名鉄に行く手を阻まれました.
ここも迂回して,この先の国道一号線の下を新境橋を向こう岸に渡ってからくぐります.
IMGP1283これは境橋.
旧東海道に掛かる尾張と三河を分ける由緒ある橋です.現在では,それ風に化粧された意匠となっています.でも,これが返って趣きを損なっているような気がしてなりません.
この橋を渡り,再度西側の堤防を行きます.
IMGP1286日もとっぷり暮れました.
ライトとフラッシャーを点灯して,先を急ぎます.
写真もフラッシュが届く範囲以外は,うまく撮れなくなってきています.
IMGP1289伊勢湾岸道の下をくぐり,この境橋に出ました.”さかいかわ”ではなく,”さかえかわはし”と書かれています.
東の刈谷市に行けば,冨士松地区の沼田に出ます.
IMGP1291井ケ谷の排水機場を通過し,次に出たのは,犬伏橋.東に行けば,愛知教育大学のある刈谷市井ケ谷町に出ます.
IMGP1293そのまままっすぐ進み,この川原大橋に出ました.
この橋で川幅がかなり狭くなっているのに気付き,地図を確認すると,少し前に本流とわかれた支流を来てることがわかりました.
この橋を渡り,西を流れているはずの本流を目指しました.そして,少し走り,堤防に戻れました.
IMGP1294
    全画像:クリックで拡大
そしてたどり着いたのは,その名も郡界橋.
ここは,西岸は尾張の東郷町,東岸は三河の三好町です.

この先は,国道153号まで河川敷に境川サイクリングロードが整備されています.今日辿ってきた部分も整備されて繋がると素晴らしい自転車道ができるのですが,なんとかならないでしょうか.
実は,以前,刈谷市にこのことに関し,要望のメールを送ったことがあるのですが,無しのつぶてです(^^)

さて,この橋のすぐ近くに,刈谷市,東郷町,三好町の一市二町の境があります.ここは名前の通り,昔の郡界だったのでしょう.
郡界橋.小さな橋ですが,とても詩情を喚起する名前ですね.
三河と尾張を分ける,この郡の境界にあって,ひっそりと過去幾多の歴史を見てきたに違いありません.そういう意味では,この橋も立派な歴史の登場人物であり,証人なのです.


●走行距離:43.6km
●走行時間:?

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春風をあつめて,知多半島縦走


関連リンク:
早稲田大学理工学部社会環境工学科 景観デザイン研究:佐々木葉研究室
22:19 | Comment(6) | TrackBack(0)
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:: comments on entry
うーん、趣のある冒険ですねぇ。
楽しく読ませて頂きました。私も川沿いに走るのが好きです。でもココまで深くは追求しませんです^^;
こういうところを本当にサイクリングロードにしてくれるときっと楽しいですよね。
2月に無理矢理穴掘るお金があるのなら、
こういう処にもお金を使ってくれればなぁ。
Posted by ひみよし at 2006/05/02 23:42

ひみよしさん,書込み感謝です.
計画自体は以前から考えていたのですが,ひみよしさんの背割堤走破の試みはいい刺激になりました(笑) 川という目的があると走りがいがありますよね.途中に掛かっている橋もおもしろかったりしますしね.
市には近いうちにまた要望メール送ろうかなあと企んでます(^^
Posted by yanz at 2006/05/03 00:38

一つの川沿いを沿って走るのも面白いですね。
毎回yanzさんの何か目的のテーマ決めて走る企画参考になりますよ。
自分も何か一つテーマ決めて走ってみる事にしようかな〜。
近所の川でも責めてみようかな〜って思います。
Posted by いたお at 2006/05/04 16:06

私もこういうダートを走るの好きです。
豊明から境川の堤防を下ったことがありますが、草を掻き分けて進んだ記憶があります(^^;
橋も歴史の証人・・・・ うーん素晴らしい!これからは、橋も良く見て走ります♪
Posted by tsukasanohide at 2006/05/04 17:18

いたおさん,コメントありがとございます.
テーマを決めている場合もありますけど,大抵は行きあたりばったりですよ(笑)
でも地元のことは,思い入れがあるし,それなりに知識もあるので今回のようにまとまるような気がしますね.
いたおさんも,地元の川を辿って見てください.
Posted by yanz at 2006/05/05 00:07

hideさん,書き込みありがとうごあざいます.
hideさんのダート好きは有名ですね(笑)
探検といえば,ダートでないと趣がでないかもしれませんね(笑)
豊明というと,今回行った川の反対岸ですね.草を掻き分けですか.夏以降ならそうかもしれませんねえ.
橋は古いといろいろ考えさせされますね.
Posted by yanz at 2006/05/05 00:12



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