:: design for lifestyle|デザイン=設計

2006/04/05
┣ art&design


もしかしたら”FAQなこと”なのかもしれません.でも,以前から不思議に思っていたことなのです.

それは,デザイン=設計のことです.

左辺の「デザイン/design」は,一般的に外観的な意匠そのもの,あるいは,その製作行為という意味に捉えられています.一方,右辺の「設計」といえば,工学的な理論,例えば機械工学や建築工学的など,に基づいて,モノを生み出すことです.この異なる二つを等号で結びつけるのですがから,かなり矛盾しています.

例えば,カー・デザインと言ったとき,一般的に消費者の意識としては,それは外観上の造形そのもの,つまり中身は関係なく,姿・形そのものを意味しています.移動装置としての車の性能を決定づける機械工学的設計を意味することは稀です.ただし,ハリボテでいいのかというと,そうでもなくて,それは”カー”でありえないので”カー・デザイン”になり得ません.最低限,移動するという基本要求を満足する必要はありますが,一旦それを満足すれば,その走行性能は置き去りにされるのです.

本来の意味ではデザイン=設計ですので,デザインというのは,外観の造形・意匠だけでなく,むしろ中身の裏付け作業をも包含すべきことは明白です.日本における”デザイン=外観上の見せ方”といった狭義の捉えられ方,この偏った見方は,本質的なものを見えにくくしている気がしてなりません.

「カワイイ!」だけじゃあ,つまらない.

イタリアのバッグ・メーカーを紹介した MANDARINA DUCK│マンダリナダック というエントリーの中で,以下のように書きました.

シンプルでオーソドックスな形のものもありますが,見たことのないような形のバッグも多く,バッグの可能性を広げたメーカーです.そういった意味でオシャレというだけではない,尖がった印象も合わせ持っています.MANDARINA DUCKはただ単にバッグを作って売るだけではなく,「こんな形もありでしょ?あなたならどう使ってくれますか?(舌ペロリ)」とライフスタイルを含めてcuteに提案されている気がしています.
これは自分の中では極上の誉め言葉です.自分にとって,他との関係性を無視した美やその存在や佇まい(世間では,それを芸術とか美術と呼びます)はどうでもいいのです.自分が気に入るか?気に入って使えるか?ということしか判断基準は持ち得ません.そして,自分が気に入るということは,自分の生活に入り込んでくるということ.出会った時にはわからないこともあるのですが,それを予定調和的に語れば,ワクワクするlifestyleを示唆してくれる(くれていた),あるいは,インスパイアしてくれる(くれていた)ということです.

design for lifestyle.「カワイイ」より「ワクワク」なんです.


関連エントリー:
MANDARINA DUCK│マンダリナダック


22:50 | Comment(2) | TrackBack(0)
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:: comments on entry
米国人には設計者と区別するために、工業デザイナーは「コスメティック・デザイナー」と紹介されるんですよ。うわっつらのことしか考えてないみたいできもちわるい。
でも、うわっつらのことだけデザインする場合もあれば、企画構造生産流通までどっぷり入る場合もあって、それはケースバイケースですね。
必要に応じてそれらの「どれもができる」ことを、プロと呼ぶ…場合もあります。ま、仕事ですからね。いろんな状態がある。
Posted by 詩人 at 2006/04/05 23:28

詩人さん,書込みありがとうございます.
ということは,アメリカでもdesignはどちらも示すのですね.今のように分業化が進む前は,こういうことはひとりで実現していたからかもしれませんね.それにしても,コスメティック〜はアメリカらしいと言えばらしいですね(笑)
Posted by yanz at 2006/04/06 21:14



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