:: 用語解説#2|PDCAサイクル(デミングサイクル,管理のサイクル)



今回は「PDCAサイクル」の話です.別名,「デミングサイクル」や「管理のサイクル」と呼ばれます.デミングというのは,今は亡きアメリカの学者の名前です.デミング博士は,1950年に来日し,日本製造業の飛躍の基礎となるTQC(Total Quality Control)を説き,産業界に多大な影響をもたらした人物です.そのデミング博士が提唱したのが,後に発展して「PDCAサイクル」となる考え方でした.

「PDCAサイクル」は,継続的改善のためのモデル・方法論です.つまり,PDCAとは,

【P】 Plan(プラン)・・・計画
【D】 Do(ドゥ)・・・実施
【C】 Check(チェック)・・・確認
【A】 Action/Act(アクション)・・・処置

であり,まず計画(Plan)を立て,それに従って実施(Do)し,その結果を確認(Check)し,必要に応じてその行動を修正する処置(Action)をとり,その後,それを元にして,再度計画(二度目のPlan)を立て,それに従って実行(Do)し,・・・を継続的に繰り返す(だから,サイクル)ことによって,改善していくのが,「PDCAサイクル」です(下図).

  ┌→【P】─┐
  │            ↓
【A】       【D】
  ↑            │
  └─【C】←┘

実際の現場では,「PDCAサイクルを回せ!」とか,「PDCAが回ってないから,よくならないんだ」「PDCAサイクルでスパイラルアップ」というような使い方をします.

各プロセスをもう少し詳しく説明すると,以下のようになります.

【P】 目標設定,目標達成のための実行計画の立案

具体例:中期計画,年度計画,半期計画,月次計画,プロジェクト計画など
【D】 実行計画に沿った実際の活動・実践
【C】 Plan(目標)とDo(実行)の結果(実績)を比較し,達成状況を確認する.
目標を未達成の場合は,その要因を分析する
【A】 Checkの要因分析を踏まえて,計画達成のための対策を立案し,直ちに実行

ここで重要なのは,このPDCAサイクルというのは,その規模の大小を問わず,活動の数だけ存在するということです(存在する,というより,存在させることが可能といった方が正確かもしれません).大きくは,年度の事業計画でのPDCAがあり,小さいものは,短期での個人の活動でのPDCAなどです.従って,組織の中では,様々な「PDCAサイクル」が展開されていることになるのです.この場合,展開するのはそれに携わる者ですので,展開をしないのであれば,それでも済みますが,よりよい活動は望めません.

現在は,製造業のみならず,他の業種にも広く行き渡った感のある「PDCAサイクル」という概念ですが,法律や規制に守られた職種程,結果を問われることを避けるため,PDだけで終えてしまい,「PDCAサイクル」を回そうとしない場合が多いように思います.

みなさんは,PDCAサイクルを軽快にくるりくるりと回してますか?


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